よろしいのハエトリさん日記

食虫植物の育成、成長記録です

球根ドロセラの育て方

 

タイトル通りです。

 

理由は書きませんが、球根ドロセラの価値を少しでも破壊します。

ただ申し上げたいのは、私自身が球根ドロセラや食虫植物を嫌いになったわけではないということ。

 

球根ドロセラは日本での普及率は高いとは言えません。近年ではドロセラ展などを開催してくれるおかげで昔と比べたら普及率は高まってはいるでしょう。らん展などの脇でやっている即売会でも売っていることがあります。しかし、その程度です。

食虫植物自体がまだまだ一般的ではないですし、球根ドロセラなんてさらに希少とされています。

 

その理由は、栽培方法が確立されていないということ。増殖が容易ではないというところがあげられるでしょう。

一部の趣味家は独自の栽培方法、またはその仲間内で栽培法の情報交換をして球根ドロセラを維持、増殖していることでしょう。しかし、その栽培方法がこれから新たに球根ドロセラを栽培したいという方々へ届くことが困難な状況となっていると思います。

例えば、某ショップで球根ドロセラを見つけても栽培方法は付いてきません。ヤフオクやメルカリで球根ドロセラを見つけても、ほとんどの販売者は教えません文言を書いています。あまりにも多数の人から教えてくれと言われて教えるのは大変だからという理由からかもしれません。

ですが私にはそうは思えないんですね。

栽培方法を教えないことにより、球根ドロセラの希少性を保とうとしているようにしか思えないのです。なぜそんなことをするのかという理由はあえてここには書きませんが、色々と想像は付くことでしょう。

 

なので、今回私がある程度の栽培方法をここに書くことにより、球根ドロセラって難しそうで手が出せない。栽培してみたけど失敗しちゃった…もうやめようなどと思ってしまった人たちにもう一度チャレンジしてもらおうという考えです。

 

↓以下、私の球根ドロセラ栽培方法

 

まず買ってきたところから考えましょう。

ドロセラ展や食虫植物即売会で購入するような球根ドロセラは、おそらく芽を出して成長している状態で手元に来ることでしょう。その場合はそのままで大丈夫。植え替えなどは必要ありません。むしろ成長期の植え替えは止めましょう。

 

次に、球根状態で購入した場合です。

結論から言いますと、私はそのまま植えます。人によってはジップロックの中で夏を過ごし、秋に植えるということもするらしいです。

 

でも球根ドロセラって、自然だと土に植わっていますよね?なら植えたままでいいじゃないかというのが私の考えです。

 

ただし!ジップロック保管にも利点があります。

ジップロックだと中身がすぐに見えるので、球根がどうなっているかを見て安心できます。また、鉢と違って小さいので適温の環境で夏越しさせやすいでしょう。

 

では次に、植えて管理する方法です。

 

私の場合、球根ドロセラは鹿沼土ピートモスを大体1:0.4くらいの割合で混ぜます。鹿沼土はつぶれにくい硬質のものが好きですが、そうでないものでも全く問題ありません。しっかりと混ぜたものを鉢に詰め、球根を植えるときは指を第三関節くらいまで突っ込んだ穴に植えると良いかと思います。ほかの方と比べると少し深いのかもしれませんが、浅すぎると成長するときに球根が持ち上がることがあるので、それならば少し深いくらいが良いです。そもそも休眠期に深く潜ることを考えると、球根ドロセラたちは人間が植えるよりももっと深いところから芽を伸ばしてきていますからね。

 

植え終わりましたら、後は秋冬の発芽を待つことになるのですが、夏の間も管理は怠りません。一昔前だと休眠期は乾燥させておきましょうなんて書かれたりもしていましたが、これは間違いだとは言いませんが大切なことが抜けています。

 

まず一切の水を断つというのは止めましょう。球根が乾燥してダメになる可能性が高いです。ではどうするのか?

 

休眠期でも水やりをしましょう。

 

ですが、ここが少し難しいところです。乾燥させすぎは勿論ダメですが、水の与えすぎも球根が腐ってしまいます。濡れてはいないが、ほんのり湿っている状態が好ましいといえます。

目安としては、鉢を手で持った時、土が水を含んでいるとき鉢とそうでない時の鉢では重さが違います。軽くなった時には湿らすくらいの水をやりましょう。それがわからない場合は、表面が乾いたときに少し土をどけて、そこがまだ湿っているのならまだ待つ、下の方も乾いていそうなら水をやるといった感じでしょうか。ここに関してだけは感覚というものが大事になってくるので、どうにか覚えていってもらいたいところです。

 

とにかく言えるのは、すこーし湿った状態で夏越しさせてやるということです。ジップロックで保管する場合にも、湿らせた鹿沼土赤玉土なんかを一緒に入れてやりましょう。

 

また、球根状態で購入した際、その球根が順化されていない球根の場合があります。

球根ドロセラと呼ばれる植物はほとんどがオーストラリア産です。オーストラリアは日本とは季節が真逆ですので、順化(日本の季節に合わせて馴らす)という作業が必要です。この順化が少し賭けなのですが、この場合にも私はすぐに植えます。植えてそのまま休眠したままなのであれば、秋冬頃に発芽するのを楽しみにしましょう。ですが、たいていの場合はオーストラリアでの体内時計のままなので、日本でいう休眠期間に発芽してくると思います。その場合は、涼しいところでしばらく成長させましょう。成長しきると、暑いためにすぐ休眠します。球根は小さくなりますが、残りさえすればその年の秋冬にまた発芽してきます。これが少し賭けだと言った理由です。

 

次に、成長期の管理についてです。

球根ドロセラが成長する気温というのにはある程度決まりがあります。

種類にもよりますが、適温は10~20℃くらいだと考えています。壁なんかで防寒すれば、我が家では0℃付近でも問題ありませんが、成長速度はかなり鈍ります。逆に20℃を超えてくると、これも種類によりますが休眠を始めます。球根ドロセラは発芽してから5~6ヶ月は姿を見せてくれています。秋冬に発芽して、ゴールデンウィークくらいが終わりと考えるとわかりやすいでしょうか。年明けに発芽するものもあるので、そうしたものは成長期が短くなる傾向にあります。ですので、季節の早い段階で20℃超えそうな場合は、木漏れ日の差し込むような涼し目の場所に置いて休眠を伸ばしてやりましょう。かといって、まったく日の当たらないところに置くと弱弱しく育つのでやめましょう。時期が来たらしっかりと休眠させること。これが大切です。

 

ちなみに、我が家での栽培経験によりますと、マクランサ系の細い種類は発芽が早く、休眠までが長い傾向にあります。ルピコラやストロ二フェラ、ポレクタなんかは発芽が少し遅めですが長生き。

ブロウ二アナなどのロゼット系は発芽が比較的早めですが、暑さを感じやすいのか、上記のように20℃付近を上回ってくると休眠に入ろうとします。早いと三月四月には枯れが始まります。

 

水やりについてですが、成長期は特に神経質になる必要はありません。強いて言うなら、鉢の内部まで乾燥させるのは止めましょう。成長期には水を絶やさない。ほかの食虫植物と同じです。越水する人もいるらしいですが、私は表面が乾いたらすぐに上から冠水しています。越水する場合には、おそらく浅い越水が好ましいでしょう。

 

次に鉢についてです。

球根ドロセラを買ってきたときは、たいていが小さい鉢に植わっていることでしょう。とても見栄えが良いですね。植物体もまだ小さいのでその年はそのままで大丈夫でしょう。ですが次の年からは大きな鉢にしましょう。できれば縦に長いものが良いです。

球根ドロセラのほとんどが10センチ以上はストロン(球根を作るための茎)を伸ばします。

鉢が小さいとストロンが育つのを阻害しますし、球根が出来たときに水の抜ける穴に挟まりながら形成されたりしてしまいます。

それに何より、私の経験では鉢を大きくした方が球根が大きくなりやすいです。種類にもよりますが二センチくらいにはなります。大きくなる種類は球根を太らせないと分球しにくかったりもします。ぜひ大きい鉢に植えて育ててみてください。

 

最後に休眠についてです。

成長期の管理についてのところでも書いたように、球根ドロセラは時期が来れば休眠します。どこかしら葉が枯れ始めたらもう休眠しはじめていると思ってください。そして、その時にはもう球根が作られ始めていますので、越水をしている場合は冠水する方法にした方が球根を腐らせずに済みます。球根が鉢そこに出来始めているのに越水していると、球根が水に浸かりっぱなしになるからです。

休眠完了の合図は、基本的には全ての葉が枯れてから三週間以上経ってからだと思ってください。葉がすべて枯れたからといってすぐに彫り上げると、まだ栄養を残した根が球根にくっついているときがあります。その状態で植え替えることもできますが、まだ栄養を吸っている根が取れてしまったりもするので、できることなら球根がしっかりと丸くなる頃まで待ちましょう。

 

休眠が完了したら植え替えです。

ここで植え替えないで秋冬までそのまま管理する人もいるそうですが、鉢底から球根が出てしまっている場合もありますので、彫り上げてしまった方が吉かと思います。

植える方法は、初めのほうに書いた球根を買ったときと同じです。乾かさず濡らさず、何も生えていない鉢に水やりするのは大変ですが、発芽するのを信じて待ってやりましょう。何なら、球根を傷つけない程度にたまに掘って覗いてみることもできます。発芽時期にはやめた方がいいですけどね。

 

さて、こんなところでしょうか。思いつく限りを書いてみました。

私自身も球根ドロセラを栽培して五年は経っていません。ですが、球根ドロセラがどのようにして成長し休眠しているのかを様々な文面から研究しました。人に聞いたことは一度もありません。何故なら、冒頭にも書いたようにそもそも教える気のない、あるいは大切なことを隠して教える人が多いからです。ですが色々試行錯誤した結果、所持している球根ドロセラに関しては維持栽培以上の成果を出せています。

もっと追及するのであれば、種類ごとの栽培方法、用土、管理などあるのでしょうが、現在の私の栽培方法はだいたいの種類に汎用できるものだと思っていただければ幸いです。

種類によっては合わないものがあるかもしれない、しかしそれなりの種類は育てることが出来る方法、といったところでしょうか。

 

どうか、これを読んでくださった方が球根ドロセラの栽培を楽しめますよう願います。

御一読ありがとうございました。